さて、今回は、金色のコルダより柚木さんを主人公にしてみました。

モノローグ調です。
それではごゆっくり（というほどの長さでもない）お楽しみくださいｖ

[0回]

甘くて白くて柔らかいもの



俺は嫌いだ。

家。
俺を取り巻く騒ぐだけの女ども。
表面しかみない周りの人間。

そして、皆に気に入られるような己を取り繕う自分。

どこまでも、不自然な俺。


気まぐれに持っていたマシュマロ。
嫌いだから、そこら辺のやつにくれてやったら、変に喜んでいたかな。
それから、挨拶代わりにマシュマロをくれてやることにした。
俺の嫌いな、そいつを。

『俺はおまえが嫌いだ』と言う代わりに。



だから、あいつにも挨拶代わりにくれてやった。

一度目は、コンクールの最中。
白いマシュマロを一つ。
「大変だろう。無理はしなくていいから。」
と、空気よりも軽いねぎらいの言葉をかけながら。

二度目は、アンサンブルの練習をしようと持ちかけられてから。
思い切り、警戒されたなぁ。
ま、俺の本性知ってからだったから、無理もないが。



あいつの演奏を聴いていると、無性に腹が立ってくる。
音楽家としての心構え以前に、技術も表現法も、何もかもがなっていない。
けれど、自由闊達で、心のままヴァイオリンが歌っている。
強く、強く。
俺には･･･そんな演奏はできない。
つくられた檻の中から出ることのできない自分。
あの演奏が、嫌いで、嫌いで･･････。
しかしながら、惹かれてしまう。
何故？

そして、彼女からも目が離せなくなっている自分に気づく。
彼女は、自分を偽らない。
春の日のように柔らかい楽を奏でる。
そんな彼女に、俺が甘い音色をくわえられるときがくるのだろうか？



そうしたら、好きになれるのかもしれない。
マシュマロも。
マシュマロのような、彼女も。
ありのままの、自分も−−−。




−了−



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＠あとがきに代えて＠

いかがでしたでしょうか？
マシュマロ持ち歩いている割には、マシュマロが嫌いという設定にしてみました。
マシュマロ嫌いなのは、実のところ私なんですけどね（ォィ）
柚木さんの葛藤が書きたかったんですけど、やっぱりうまく書けてませんね ＿|￣|○
あっさりしすぎていると思います。
なんかこう、もっとねちねちどろどろと･･････。
させれたらいいな（笑）
まだまだ、修行が足りません。
がんばるぞー！