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真朱の日々の徒然を。 主に、乙女ゲーや三国志、そのほか諸々趣味について語りまくります。一気呵成にのほほんと運営中・・・。
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@注意@

このSSでの望美ちゃんは、男性が大の苦手!!(特に軟派系)
という性格の本で書かれています。
なので、ヒノエ氏には言いたい放題になっていますので、それが嫌だ!!という方は、読まれないほうが無難です。

よろしいですか?
覚悟を決められた方は、いざ、ともに参りましょう!!


とと、その前に。
☆3/10・3/11 ぽちぽち拍手ありがとうございます!!本当に励みになります(^_^)v☆




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 出会いは、最も悪いと書いて"最悪"だった。

 なにをどう待ち伏せしていたのか、樹上から突如として現れた男は、慣れた手つきで私の手を取りこう言った。
「あんたが噂の白龍の神子かい?評判どおり、かわいいね。よかったら、オ――」
「キャッチセールスは間に合ってます。」
と、私はにっこりと切り返していた。
 真夏に山おろしのブリザードが当たり一面に吹き渡った…。と後に譲くんは身震いしながら皆の前で語っていたという。
 
 新手のキャッチセールスか、さもなくば新種の赤毛ザルか。どちらにせよ関わり合いにならないのが懸命だというのは、火を見るよりも明らかだ。
「私たち、先を急ぎますので、失礼。」
相手が次の句を継げないうちに、掴まれた手を何気ない動作で振り解き、その場から立ち去れば万事オッケー、こういう輩は追ってこない。

 ところが。
「神子、八葉だよ。」
後ろからとてとてと追いかけてきて、白龍は私の袖を引っ張ると、そう言った。
「八葉なら、1,2,3,4,5,6,7っと。ちゃんといるじゃない?」
「ううん、離の卦。天の朱雀。」
と、白龍は後ろを振り返ると“樹上からぶらーん男”を指した。
は?マジで??
なにを根拠に???
と思ったのだが、その考えは即座に壊れることになる。
「額。」
白龍は言う。
私は目が悪いほうではない。自慢ではないが、両目とも視力は2.0だ。その私が、目を細めて注意深く彼の額に注目した。
 赤い点が見える。その点は、真夏の太陽光を微妙に反射してキランと光っていた。
「・・・インドかぶれのジャパニーズ?」
ガンダーラ、ガンダーラ。突如として脳内にゴダイゴが鳴り響いた。

「ヒノエ、こんなところで何をしているのだ。」
普段無口な敦盛さんが、そいつに声をかけている。
「敦盛じゃん。久しぶりだなー、元気してたか?」
「・・・敦盛さんのお知り合いですか?」
私は、恐る恐る聴いてみる。
「ああ、幼馴染だ。私は幼きころ、ここで育てられたから――。」
「そー、そー。そういうこと。という訳だから、仲良くしょうぜ神子姫様?俺の名前は、ヒノエ。お前の名前は?」
 敦盛さんの知り合いなら、大丈夫かなと私は名前を教えることにした。
「望美。春日、望美。」
「ふうん。お前のように綺麗な名前だね。」
「な、な、な・・・!!」
何を言い出すんだ、お前はーーー!!!!といいたいところだったのだが、不意を突かれてしまいその先が言葉になって出ない。続けてヒノエ君はこういった。
「そうだ、知ってたかい?自分の名前を相手に告げるってさ・・・昔は相手に心を許すって同じ意味なんだって。」
「!!!」
頭に血が上っていくのがわかる。見なくてもわかる。私の顔は今まっかっかだ。何なんだ、こいつは!人目も憚らず、こ、こんな恥ずかしい言葉、つらつらと並べて!!

 でも、この人は八葉だ。白龍によれば、八葉は神子とともにあるもの。いてもらった方がよいといえばよい。私の好みにかかわらず、だ。
「あの、ヒノエ・・・君は八葉なんだよね?」
ここまで言うのにも、結構な気力が必要だった。
いままでこういった人種は、相手にしないか、大上段でばっさりと、再起不能にするのが、私の常だったから。
「八葉かどうかは知らないけど、急に額に変な玉が埋まってることは確かだね。他人には見えないみたいだけど。」
ヒノエ君は余裕の笑みで構えている。
「あの、できれば、私たちと、一緒にっ・・・。」
がんばれ、私。負けるな、私。私には、後ろに七葉が付いてるんだ!
「行動してほ・・・しいんだけど。」
そこまで言うので精一杯だった。
「ん〜、姫君のお願いとあらばかなえてあげたいのが、男心ってもんでしょう!」
「じゃあ、仲間になってくれるの?」
「ああ、ほかならぬお前のためならね。」
力強く、ヒノエ君は言った。
案外、ヒノエ君っていい人なのかもしれない。見も知らぬ、私の要望を聞き入れてくれたのだから。・・・恥ずかしい台詞は別としても。
と、やけにあっさり話が着きかけたそのときだった。 
「おや、相変わらず、姫君と見ればだれかれかまわず口説きまわっているんですね、君は。」
と、弁慶さん。
「げっ!!あんたもいたのかよ。」
「『げっ』とは失礼ですね。仮にもあなたのお――」
「じゃっ、そういうことで。またの逢瀬を楽しみにしてるぜ!姫君!!」
・・・弁慶さんの姿を見るなり、とんずらこいたような気がしたのは気のせいではないだろう。
「弁慶さん、“口説きまわってる”って?」
「さあ、それは“言わぬが花”でしょう。」
と、微笑んだ。
『ほかならぬお前のため』とか『またの逢瀬を楽しみにしている』とか、あんなふうに色んな人を口説いていっているわけだ・・・・・・。
むか、むかむかむか!!!
「前言撤回!やっぱり、軟派男は不実だ!!」
と、なぜだかわからないけれど、ヒノエ君に関しては変に腹が立った。
今まで、そういったことに気にも留めなかったというのに。どうしてというかすかな疑問が、胸に去来する。そして、彼とはまた逢うことになるという、確かな予感、というよりも確信に近いものが私にはある。
 これからのこと、そしてヒノエ君のこと。奇妙な気分を胸に抱え、私たち一行は新熊野権現を後にしようとしていた。



―了―



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@あとがきにかえて@

もう一度言います。
すみませんでした。
ヒノエ君に関してはもう言いたい放題です。
そして、ヒノエ×望美というよりもヒノエと望美の出会い(プレイ1周目。本当に初対面)、そして初印象。
といった風ですね。
って、全然ヒノエ×望美じゃないじゃーん!!
甘いものを期待していた方、ゴメンナサイ。
甘かったのは、ヒノエの台詞だけでした(-_-;)
しかも、文章を書くに当たって微妙に1人称にしてしまったがために、普段も狭い視野が、どんどん狭くなっていくという罠に陥り・・・・・・がふっ(゚´Д`゚)
改めて、1人称の難しさを体感しました。

この後、2人はどうなるのか?
進展するのか、ぽしゃるのか?
その前に、続きを書く気が私にできるのか?
様々な疑問を残しつつ、ここらでお開きにしたいと思います。
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真朱
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九州某所に生息する、ネオロマ(特に遙か)、ハートの国のアリス(クロアリ・ジョカアリ・アニアリ)をこよなく愛好する奇人です。
他にも、彩雲国、十二国記、ローゼンメイデン、ヘタリア、三国志(特に呉) Fate/stay night、Fate/Zeroなどもばっちこーいです!
筋金入りのヲタクで、妄想癖持ち。
むしろ妄想で3度のご飯が食べられます(何がだorz)
びば☆妄想!
はらしょー☆ヲタク!!

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